ホタテジオの開発秘話
北海道(道北)はホタテの産地として世界的に有名です。
なかでも「貝柱」は高級品として取り扱われております。
弊社ではホタテの貝柱から抽出する「ホタテエキス」の製造を行っておりますが、高価であること、数量に限りがあることから、多くを提供することはできず、そのほとんどは調味料や加工食品等の原料としてご使用いただいております。
一方で旨みや香りが強すぎる、エキスの扱い方がわからないなどの理由により、使用方法が難しいとご意見を頂くこともあります。
「もっと多くの方に北海道産ホタテの濃厚な香りや旨みを知っていただきたい。」
「一般の方でも使用しやすい形で提供したい。」
そんな思いから検討を始めました。
香りや旨みを保ちながら、使用しやすく、なじみある商品にすることはできないかと検討を重ねた結果、私たちの食文化において最も身近な調味料である「塩」にたどり着き、ホタテ貝柱の贅沢濃厚な香りや旨みを、塩へ吸着・抽出することに成功したのです。
しかし、平成14年9月より開発をスタートしましたが、予想以上に困難な道のりでした。
課題は多々ありましたが、乾燥時の焦げ付きが特徴的です。
ただの塩の場合、いくら加熱しても焦げ付くということはほぼありません。
ホタテにはグルタミン酸やグリコーゲン(糖原)等の旨み成分や甘味成分が多く含まれております。
抽出した塩を乾燥する際、塩以外の旨み成分などを多く含んでいることが妨げになり、凝固や焦げ付き等の原因となったのです。
途中であきらめかけたこともありますが、
15年の歳月をかけ、平成29年9月に製品化し発売を開始することができました。
従来のホタテエキスのように、使用した料理がホタテの味一色に染まってしまうということはなく、「塩」というなじみある調味料の中に、ホタテの濃厚な香り+ふわっと感じるホタテの味わい+ホタテ由来成分(グリコーゲン等)の力により他の旨みを引き立てるという、非常に使いやすい品に仕上がったと思います。
また、独自の乾燥工程により、ホタテの香ばしい香りを付与することに成功しました。
蓋を開封し振りかけた直後に、ふわっと甘く香ばしく、そして美味しい香りが漂います。
「ホタテジオ」ほど香りが強い塩に出会ったことはありません。
「本当に塩だけなのか?」
「なぜ塩だけなのに香りが強いのか?」
「化学調味料やフレーバーが入っているのではないか?」
と確認されることもありますが、香料等は一切加えておりません。
多くの方はホタテを食べたことがあるでしょうが、ホタテの香りを想像できる方は少ないのではないでしょうか?
ホタテの香りや旨みがギュッと凝縮された「ホタテジオ」をぜひ一度ご賞味下さい。